【ルネ・ラエンネックについて】

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ルネ・ラエンネックは、聴診器の発明者として、つとに有名ですが、

彼が聴診器を発明する前は、医師が患者の心臓の音を聞く際には、何と、医師は患者の胸に直接、耳を当てて、心臓の音を聞いていました。

 

つまり、ルネ・ラエンネックが聴診器を発明する以前には、道具による聴診を行うという概念そのものが無かったわけですが、

医師にとっても患者にとっても、それは大変な事だったのではないかと思われます。

 

彼もまた、医師として、心臓の音を聞く時は、患者の胸に耳を当てていましたが、

そんなある日、彼の元に、ふくよかな女性患者が訪れます。

 

以前の経験でも、

脂肪が多い患者の胸に耳を当てても、

心臓の音は聞き取りにくい、という事が有り、

また、女性が男性医師に、自分の胸に耳を当てられるのは嫌だろうと察した彼は、

咄嗟に、ノートを筒状に丸めると、

片方を女性の胸に、もう片方を自分の耳に当てると、思いがけず、直接、患者の胸に耳を当てるよりも、心臓の音が鮮明に聞こえて来たのです。

 

この出来事がキッカケになり、

また、彼の子供の頃、友達が中身が空洞になっている棒を耳に当て、もう片方をピンで引っかき、音を楽しんでいた、という事も思い出し、

 

1816年、当時35歳だったルネ・ラエンネックは、世界初の聴診器の発明に成功します。

その聴診器は、3つの部品に分解できる、木でできた筒状の棒のような物でしたが、

彼の発明は、医学の世界に、間接聴診という診察法を誕生させ、医療に大転換をもたらしました。

 

このように、ルネ・ラエンネックは、

創意工夫により、聴診器を生み出したわけですが、

その元になったのは、彼の患者に対する気遣いだったというのは、とても素敵な事であり、

現代でも、医療に携わる方達にとって、

患者に寄り添う彼の姿勢は、大きな道標になっている事でしょう。